202205|18
農作業の合間の休憩所、また繁忙期に寝泊りできる仮の住まいとして建築されました。
コンパクトな間取りながら、田園風景を一望する広い掃き出し窓や開放的な建具、明るい内装材を使用しているため、窮屈さは感じません。四方に取り付けられた窓のお陰で風通しもよく、盛夏までエアコンなしでも快適に過ごしていただけます。
(左)冬の冷え込みが厳しい立地のため、躯体には時間をかけ丁寧に仕上げました。断熱資材も積極的に使用していますので、外気の影響を受けにくく、安定した室温・湿度を保ちます。
(右)限られた空間をすっきりと使用していただくために設置した屋根裏は、大容量の物置になるとともに、断熱の役目も果たします。
長い年月からしか生み出せない、表情豊かな石垣や庭木は、ここがかつて旅館だった名残です。
202106|10
家族でプール、キャンプに行きたいけれど、コロナ禍で小さなお子様を連れての外出は不安があるということで、庭にウッドデッキ設置を決められました。
床は人工木、柵の部分にはアルミを使用していますので丈夫で長持ちします。
元気に遊んでいただければ うれしいです。
202106|03
連結した二棟の高低差解消を目的とした全面リフォームです。
フラットな床と最新の水廻り、また建付けをよくすることで、古い日本家屋につきもののすき間風問題やヒートショックのリスクが軽減、快適に暮らせるバリアフリー住宅に生まれ変わりました。
全室フラットにするために、床の段差と共に鴨居の高さも調整しましたが、既存の建具は可能な限り再利用しました。竣工直後は気になる新旧の色の差も、年を経るごとに目立たなくなってきます。
経年変化がある無垢の建材ならではの楽しみです。
日中最も使用頻度が高く、お客様をお通しする機会の多い、南に面した続き間の和室には、やわらかなベージュの壁紙を採用し、温もりと落ち着きのある、やさしい空間作りを目指しました。
縁側と居室を仕切る建具は障子から摺りガラスに変更。和の雰囲気を壊すことなく採光を増やし、手入れも簡単になりました。
施主様が在居を希望されたため、工事は少しづつ、部屋を移動する形で行われました。
工事に合わせて荷物を移動するのは骨が折れますが、大量の荷造り、荷ほどきを一度に行うのは想像以上に重労働です。
何より、住み慣れたわが家を離れずに済むので、環境の変化による精神的な負担が少ない利点もあります。
202104|30
現在改修中の現場です。
元々の梁と新しい木材の色のコントラストが時の流れを鮮明に物語っていますね。
一部湿気などによる劣化はみえるものの、土台はまだしっかりしいますし、何よりこれだけの建材は今ではなかなか手に入りません。傷んだ箇所を取り換え、補強を加えたら、構造部分の改修は終了です。
屋根裏に覗いている扇子は上棟飾りです。古い民家を解体すると必ずと言っていいほど、この飾りが出てきます。
人知れず、何十年も家を見守ってきたのかと思うと感慨深いです。
改修は順調に進み、いよいよ内装の仕上げに入りました。
間取りは大きく手を入れず、趣と思い出のある建具は可能な限り活用しました。新しい建具との色の差は、年を経るとともに馴染み、気にならなくなります。
床は明るめの色を採用しました。
建具の色に合わせて落ち着いた色に仕上げるのも素敵ですが、面積の大きい壁や床は、部屋の明るさにかなり影響します。特に西向きの部屋は窓を大きく取るとまぶしさ対策や室温管理が難しくなるので、内装を明るくすることで、少ない採光を補えます。
住まいの暗さが気になる方は、床材や壁紙を明るい色に張り替えるだけでも、随分印象が変わると思いますよ。
202104|24
お客様の依頼でピザ窯を作るお手伝いをしました。
アーチの作り方はいくつかありますが、小型の窯なら、写真のようにアーチ用の耐火煉瓦を使用することで、型枠づくりなどの難しい手順を省略することができ、経験の浅い方でもうまくいきやすいです。
モルタルが乾燥しすぎないように霧吹きをかけながら丁寧に進めていきます。土台に使っている石は、この地域で採れる堆積岩です。独特の緑の層がきれいな石で、庭石としても人気があります。
モルタルが乾いたら仕上げ用のモルタルを塗り、化粧タイルを張って完成です。
この場所は高台にありますので、景色がとてもきれいで空気も澄んでいます。
こんな場所で食べる焼き立てのピザは格別だと思います。
完成が楽しみです。
202104|14
老朽化していたキッチンと和室、廊下の床を地元産の無垢のヒノキ材に張り替えました。
改修中にわかったのですが、こちらは私が修行時代にお世話になった棟梁が建てた家でした。
師匠が手掛けた家に弟子の私が手を加えるというのは嬉しいと同時に、身が引き締まります。
無垢のフローリングは足ざわりがよく、断熱、調湿に優れています。こちらのお宅のように開放的な場所に敷くと、夏場でもべたつきにくく、快適に過ごせます。
また、断熱性の高い下地と併せれば、冬場の底冷えが軽減されます。
加えて耐久性もありますので、無垢材の中では比較的楽に手入れしていただけます。
年を経るごとに鼈甲のような色と艶が出てくるのも魅力です。
202103|15
母屋の隣に娘さん家族の平屋を建築しました。
斜面が大きい変形地への建築は難しく、小回りが利く工務店の腕の見せどころです。
黒い壁は施主様の希望で、白い母屋とのコントラストが面白い建物となりました。
二軒の間にある玄関は後付けで、階段からのアプローチしかない母屋のバリアフリー対策と、両家を繋ぐ要も担っています。
平屋同士とすることで、お互いのプライベートを守りながら二軒間の行き来もスムーズに行える、変則的な二世帯住宅に仕上がりました。
(左) 開放的なリビングの天井で存在感を示す赤い梁は、施主さんこだわりの仕様です。
(右) キッチンの上はロフトになっているため、続き間の和室と合わせると、見た目以上の収容力。大人数のお客様も余裕でお迎えできます。
(左) 一段上げた和室はベンチ代わりに丁度良い高さ。大きな収納も確保できます。また、地面と離すことで保温性も高まります。
床全面に敷いたひのきのフローリングは、無垢ならではの心地よさで、断熱性と調湿性にも優れています。耐久性もありますので、水廻りでも神経質にならずに使用いただけます。
(右) 額縁のように切り取った西向きの窓からは、美しい田園風景が覗きます。